英語メニューのアレルギー表示 書き方と実例集|Contains・May contain・Free fromの使い分け
訪日外国人観光客の中には、食物アレルギーを持つ方も少なくありません。英語メニューにアレルギー情報を正しく記載することは、お客さんの安心につながるだけでなく、トラブル防止やお店の信頼性向上にもつながります。
この記事では、Contains / May contain / Free fromの3つの表現の使い分けを中心に、飲食店が押さえるべきアレルギー英語表示の基本を解説します。
1. 飲食店はアレルギー表示が「義務」か「推奨」か
食品表示法の対象範囲(容器包装食品 vs 飲食店提供食品)
まず誤解されがちな点を整理しておきましょう。食品表示法に基づくアレルギー表示の義務は、容器包装された加工食品(スーパーで売られるお弁当やおにぎりなど)が対象です。
飲食店でその場で提供される料理については、表示義務はありません。ただし、消費者庁は「可能な限り情報提供を行うことが望ましい」としています。
義務はなくても表示すべき理由(安全・信頼・口コミ)
法的義務がなくても、アレルギー表示を行うメリットは大きいです。
- 安全面:アレルギー反応による健康被害を防げる
- 信頼性:「この店は配慮がある」と好印象を与えられる
- 口コミ効果:アレルギー対応が良い店はSNSで評判が広まりやすい
英語メニュー全体の作り方については、英語メニュー作成ガイドでステップ別に解説しています。
2. まず覚える:特定原材料8品目の英語一覧
日本の食品表示法で「特定原材料」として指定されている8品目は、アレルギー表示の中でも特に重要です。2025年4月より「くるみ」が追加され、現在は以下の8品目となっています。
| 日本語 | 英語 | 代替表記・補足 |
|---|---|---|
| えび | Shrimp | Prawn(イギリス英語) |
| かに | Crab | – |
| くるみ | Walnut | – |
| 小麦 | Wheat | Gluten(グルテン)と併記することも |
| そば | Buckwheat | Soba noodlesとしても可 |
| 卵 | Egg | Albumen(卵白) |
| 乳 | Milk / Dairy | Lactose(乳糖) |
| 落花生 | Peanut | Groundnut(イギリス英語) |
3. 推奨20品目も英語で確認(一覧表)
特定原材料8品目に加え、表示が推奨されている20品目もあります。これらを含む料理を提供する場合は、併せて記載しておくと親切です。
| 日本語 | 英語 |
|---|---|
| あわび | Abalone |
| いか | Squid |
| いくら | Salmon Roe |
| オレンジ | Orange |
| カシューナッツ | Cashew Nut |
| キウイフルーツ | Kiwi Fruit |
| 牛肉 | Beef |
| ごま | Sesame |
| さけ | Salmon |
| さば | Mackerel |
| 大豆 | Soybean / Soy |
| 鶏肉 | Chicken |
| バナナ | Banana |
| 豚肉 | Pork |
| まつたけ | Matsutake Mushroom |
| もも | Peach |
| 山芋 | Yam |
| りんご | Apple |
| ゼラチン | Gelatin |
| アーモンド | Almond |
4. 3つの表記パターン:Contains / May contain / Free from
英語圏の食品表示で使われる3つのフレーズは、それぞれ意味が異なります。使い分けを正しく理解しましょう。
「含む」→ Contains ○○
その食材が確実に含まれている場合に使います。
例:
- Contains: Egg, Wheat, Shrimp
- This dish contains peanuts.
「含む可能性がある」→ May contain ○○ / May be present
原材料としては含まないが、製造過程で混入する可能性がある場合に使います。コンタミネーション(交差汚染)のリスクを伝える表現です。
例:
- May contain traces of nuts.
- May contain: Milk, Soy
「含まない」→ ○○ free / Free from ○○
その食材を使用していないことをアピールする表現です。アレルギーを持つお客さんにとって、この表示があると安心して注文できます。
例:
- Gluten-free(グルテンフリー)
- Dairy-free(乳製品不使用)
- Peanut-free(ピーナッツ不使用)
ベジタリアン・ヴィーガン・ハラール表示のしかた
アレルギーではありませんが、食の制限に関する表示として併せて覚えておきましょう。
- Vegetarian:肉を食べない(卵・乳製品はOKの場合も)
- Vegan:動物性食品を一切食べない
- Halal:イスラム教の戒律に従った食材・調理法
「この料理はベジタリアン対応」を伝える場合:
- Vegetarian-friendly
- Suitable for vegetarians
5. すぐ使えるアレルギー表示テンプレート(コピペOK)
メニュー個別表示のひな型
各料理の下にアレルギー情報を小さく表示するパターンです。
■ Teriyaki Chicken with Rice .......................... ¥1,200 Grilled chicken in sweet soy sauce, served with rice Contains: Wheat, Soybean / May contain: Sesame
メニュー末尾に掲載するアレルゲン一覧表のひな型
すべての料理のアレルギー情報をまとめた表をメニューの最後に掲載する方法です。スペースを節約できます。
================================
ALLERGEN INFORMATION
================================
Egg | Wheat | Milk | Shrimp | Crab | Peanut | Walnut | Buckwheat | Soy
--------------------------------------------------------------------------------
No. 1 ✓ | ✓ | | | | | | |
No. 2 | ✓ | ✓ | | | | | |
No. 3 | | | ✓ | ✓ | | | |
--------------------------------------------------------------------------------
✓ = Contains / Please inform staff for detailed information
口頭確認フレーズ(「Do you have any food allergies?」など)
注文時にアレルギーを確認するフレーズも準備しておきましょう。
- Do you have any food allergies?
何か食物アレルギーはありますか? - Please let us know if you have any dietary restrictions.
食事制限があればお知らせください - I’ll check with the kitchen about the ingredients.
厨房で原材料を確認します - This dish contains [egg / shrimp / peanuts]. Is that okay?
この料理には[卵/えび/ピーナッツ]が含まれます。大丈夫ですか?
英語メニュー全体のテンプレートは、コピペOK!英語メニューテンプレート&例文集で公開しています。
6. アレルギー対応全体の実務フロー
食材情報の収集と更新のサイクル
アレルギー表示は一度作って終わりではありません。仕入れ先が変わったり、レシピが変更されたりするたびに情報を更新する必要があります。
- 仕入れ先から原材料情報を入手(アレルゲン一覧をもらう)
- 自店の料理と照合(どの料理にどのアレルゲンが含まれるか整理)
- メニュー・表示を更新
- 定期的に見直し(最低でも半年に1回)
スタッフ教育と統一回答マニュアルの作り方
メニューに表示していても、お客さんが口頭で質問してくることは多いです。スタッフ全員が同じ回答できるよう、マニュアルを用意しましょう。
- 「わからない場合は推測で答えない」
- 「厨房に確認する時間をもらう」
- 「代替メニューを提案できるようにする」
コンタミネーション対策
原材料に含まれていなくても、調理器具や油を通じてアレルゲンが混入することがあります。これを「コンタミネーション(交差汚染)」と呼びます。
対策例:
- アレルギー対応料理は別の調理器具で作る
- 揚げ油を分ける
- 手袋を替える
リスクがある場合は「May contain」表記を忘れずに。
7. 日本語メニュー原稿をじたん翻訳で英語化する手順
アレルギー情報を含むメニュー全体を英語化する場合、AI翻訳を活用すると効率的です。
アレルギー情報をExcel一覧にまとめてアップロード
以下のようなExcelシートを作成し、じたん翻訳にアップロードします。
| 料理名(日本語) | アレルゲン |
|---|---|
| 照り焼きチキン定食 | 小麦、大豆 |
| 天ぷら盛り合わせ | えび、小麦 |
| 親子丼 | 卵、鶏肉、小麦 |
翻訳後:
| Dish Name | Allergens |
|---|---|
| Teriyaki Chicken Set Meal | Wheat, Soybean |
| Assorted Tempura | Shrimp, Wheat |
| Oyakodon (Chicken & Egg Rice Bowl) | Egg, Chicken, Wheat |
翻訳後の確認ポイント(Contains表記の一貫性)
AI翻訳の結果をそのまま使う前に、以下を確認しましょう。
- アレルゲン名が統一されているか(「Wheat」と「Flour」が混在していないか)
- 「Contains」のフォーマットが統一されているか
- 固有名詞(料理名)が不自然に翻訳されていないか
新規登録で500ポイント(約25,000文字分)を無料で付与されます。
8. よくある質問(FAQ)
Glutenとwheatは同じ?使い分けは?
「Wheat」は小麦そのもの、「Gluten」は小麦に含まれるタンパク質(グルテン)を指します。小麦アレルギーの人はWheat回避が必要ですが、グルテン不耐症(セリアック病)の人はGluten回避が必要です。
安全性を考えると、両方を記載するか、「Wheat/Gluten」と併記するのが親切です。
「ナッツフリー」と書けば安全?
「Nut-free」は、その店でナッツを一切取り扱っていない場合に使うべき表現です。他の料理にナッツを使っているなら「May contain nuts」の注意書きが必要です。
QRコードで英語アレルギー表を提供する方法は?
紙メニューのスペースが限られる場合、QRコードから詳細なアレルギー情報ページにアクセスさせる方法もあります。Googleスプレッドシートや専用サイトでアレルゲン一覧を公開し、QRコードをメニューに印刷しましょう。
まとめ:アレルギー表示でお客さんの安心を
この記事では、飲食店の英語メニューにおけるアレルギー表示の書き方を解説しました。
- 特定原材料8品目・推奨20品目の英語表記を押さえる
- Contains / May contain / Free from を正しく使い分ける
- スタッフ教育と情報更新を継続する
アレルギー表示ができたら、メニュー全体の英語テンプレートもあわせて整備しましょう。