英語の契約書をAI翻訳する前に知っておくべき5つのこと
海外取引の拡大に伴い、英語の契約書を日本語で確認するニーズが増えています。AI翻訳の精度が向上した現在、「とりあえずAI翻訳して内容を把握したい」というビジネスパーソンも多いでしょう。しかし、契約書のAI翻訳には知っておくべき5つの重要な注意点があります。
結論から言えば、AI翻訳は契約書の概要把握には非常に有用ですが、セキュリティと法的正確性の観点で注意が必要です。本記事で具体的なポイントを解説します。
契約書AI翻訳の5つの注意点
注意点1:セキュリティリスクを理解する
契約書には、取引条件、価格、知的財産権、秘密保持義務など、極めて機密性の高い情報が含まれています。これを翻訳ツールに入力する際、学習利用の有無はサービスごと・プランごとに異なるため、規約の確認が必要です。
具体的に漏洩すると困る情報:
- 取引金額と支払条件
- 秘密保持条項の対象範囲
- 競業避止義務の内容
- ライセンス許諾の範囲
- 責任制限と賠償上限
これらの情報がAIの学習データに使われると、理論上は他のユーザーのクエリに対して間接的に出力される可能性があります。
対策:学習非利用モード(シークレットモード)のある翻訳ツールを使用しましょう。じたん翻訳のシークレットモードは、翻訳データがAIの学習に使われない設定で処理します。
注意点2:法的用語の翻訳精度に限界がある
AI翻訳は一般的なテキストでは非常に高精度ですが、法的用語の翻訳には注意が必要です。例えば:
- 「indemnify」:「賠償する」だが、日本の法律上の「賠償」とは意味が異なる場合がある
- 「warrant」:「保証する」だが、担保責任の意味合いが強い
- 「governing law」:「準拠法」と訳すのが適切
- 「force majeure」:「不可抗力」だが、何が含まれるかは文脈次第
- 「intellectual property」:「知的財産」と「知的所有権」で法的意味が異なる
AI翻訳の結果をそのまま法的判断の根拠にするのは危険です。概要把握には使えるが、最終確認は専門家にというスタンスが適切です。
注意点3:フォーマットの保持が重要
契約書は、条項番号、段落構造、定義の参照など、フォーマットが意味を持つ文書です。翻訳によってレイアウトが崩れると、参照関係が分からなくなり、かえって読みにくくなります。
じたん翻訳は、PowerPointやWord文書のフォーマットを保持したまま翻訳する機能を提供しています。条項番号、表組み、インデント構造を維持するため、翻訳後の文書も原文と照らし合わせながら確認できます。
注意点4:条文の参照関係を確認する
契約書では「第3条(a)に定める義務」「本契約の「機密情報」(第5.1条で定義)」といった条文の相互参照が頻繁に使われます。AI翻訳が参照先を正確に保持しているかを確認しましょう。
確認すべきポイント:
- 条文番号がずれていないか
- 定義語が統一されているか
- 「前条」「次条」の参照が正しいか
- 表と本文の対応が取れているか
注意点5:翻訳結果の保存と取り扱い
翻訳された契約書も機密情報です。翻訳後のファイルの保存場所、アクセス権限、保存期間を適切に管理する必要があります。
確認すべき事項:
- 翻訳ツール上でのデータ保存期間
- ダウンロード後の社内保存ルール
- 紙媒体での印刷・配布の管理
- 翻訳依頼時の外部への共有範囲
AI翻訳→弁護士レビューのフロー
AI翻訳を契約書レビューに活用する際の推奨フローを紹介します。
ステップ1:AI翻訳で概要を把握(所要時間:数分)
シークレットモードを有効にした翻訳ツールで、契約書全体の翻訳を行います。この段階では、大まかな条項構成と主要な義務・権利を把握することを目標とします。
ステップ2:重要条項をマークアップ(所要時間:15〜30分)
翻訳結果を確認し、特に注意が必要な条項をマークアップします。
- 責任制限条項
- 秘密保持条項
- 競業避止条項
- 解約・終了条項
- 準拠法・管轄裁判所
ステップ3:弁護士に翻訳と原文の両方を共有(所要時間:弁護士の判断)
AI翻訳の結果を原文と併せて弁護士に共有します。「AI翻訳で概要を把握したが、以下の条項について法的見解をお願いしたい」という形で依頼すると、弁護士の確認作業も効率化されます。
ステップ4:弁護士の指摘を反映(所要時間:1〜2時間)
弁護士からのフィードバックを基に、契約条件の交渉方針や社内稟議の内容を確定します。
このフローにより、従来は弁護士に全条文の翻訳を依頼していた作業を、AI翻訳で大幅に効率化できます。
セキュリティ確認事項
契約書をAI翻訳する際のセキュリティチェックリストです。
- [ ] 翻訳ツールがAI学習にデータを利用しないことを確認
- [ ] シークレットモードが利用可能か確認
- [ ] 翻訳完了後のデータ自動削除があるか確認
- [ ] 通信が暗号化(HTTPS)されているか確認
- [ ] 保存データが暗号化されているか確認
- [ ] ユーザーごとにデータが分離されているか確認
じたん翻訳は、これらすべての項目を満たしています。AWS S3によるサーバー側暗号化、ClamAVによるウイルススキャン、翻訳後のファイル自動削除など、機密文書の取り扱いに必要なセキュリティ機能を標準で提供しています。
まとめ
英語の契約書をAI翻訳する際は、セキュリティリスク、法的用語の翻訳精度、フォーマットの保持、条文の参照関係、翻訳結果の取り扱いの5つに注意が必要です。AI翻訳で概要を把握し、重要条項を弁護士にレビューしてもらうフローを導入することで、翻訳コストと時間を大幅に削減できます。
機密性の高い契約書の翻訳には、シークレットモードのある翻訳ツールの使用をおすすめめします。
FAQ
Q1. AI翻訳した契約書をそのまま法的根拠に使えますか?
いいえ、使えません。AI翻訳は概要把握に有用ですが、法的用語の翻訳精度には限界があります。重要な判断には必ず弁護士の確認を受けてください。
Q2. 契約書のAI翻訳はどの程度の精度ですか?
一般的な条項の翻訳精度は高水準に達しています。ただし、特殊な法的用語、古い英文(例:heretofore、hereinafter)、あいまいな表現については、翻訳の精度が下がる場合があります。
Q3. じたん翻訳でWord形式の契約書を翻訳できますか?
はい、Word(.docx)形式に対応しています。フォーマットを保持したまま翻訳するため、条項番号や段落構造が崩れず、原文との照合が容易です。
Q4. 複数の契約書をまとめて翻訳できますか?
はい。文字数ベースのポイント制ですので、ポイント残高の範囲内で複数ファイルの翻訳が可能です。新規登録時には100チケットが無料で付与されます。
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